勘違いだと思うんです。
でもどこかの記事で読んだので....... ちょっとそれは違うっぺぇ〜、という事でここに記させて頂きます。 アメリカでの話なんですけど。 例えばー ステロイドテストでひっかかった選手とか、または試合でノックアウトされちゃった選手たちが、何日間出場停止になるかなどの規則に関してなんですけど........ これ、各団体が決めるのではなくて、各州のアスレチック・コミッションが決めるもんなのです。 アメリカではほとんどの州の法務省の管轄下にアスレチック・コミッションというのがありまして。 まぁ、まだ無い州もあります、ちなみに、正確な数字は定かではないですが、まだ12州ほど。 でもほとんどの州にはこのアスレチック・コミッションというのがあるんです。 そしてこのアスレチック・コミッションのトップに座るコミッショナーのもと、コミッションのスタッフが、その州で行われる試合のルール、試合をする選手に課すメディカル・テスト、ドラッグ・テストからレフェリー、ジャッジ、インスペクター、それらに伴うルール、あとはチケットの売り上げから何枚招待券をだしたのかまで、あとは入場者の数など、すべてを管理する訳なのであります。 ようするに、公式な格闘技の興行を開催するには、常にこのアスレチック・コミッションの仕切りのもとですべてを行わなくてはいけない、という事なんです。 ですから、例えばUFCの契約書にはー コミッションがある州で大会を開催する場合は当然のその州のコミッションのルールに従い大会を開催・運営し試合も行われる。 そしてコミッションがない場所、例えばヨーロッパとかですね、そういった場合はネバダ州のコミッション・ルールに従って大会は運営されると、しっかりと記している訳なんです。 ですから、ステロイドにひっかかった選手の罰金や出場停止期間を決めるのもコミッション、ノックアウトされた選手に関しての管理、メディカル・テストの規定などを決めるのも当然コミッションなのです。 さて、ここで今日のトピックに戻らせて頂きますが。 実際にノックアウトされた選手に課せられるルールなんですけどー これも各州によって微妙に違うんです。(泣) まぁ、でも法律だって州と連邦と二種類ある国ですから、よく考えれば当然なのですが。 ただ基本的には、頭部に打撃を貰ってノックアウトされた選手はほとんどの場合60日間の出場停止となるんです。 そして次の試合の前に必要となるメディカル・テストに関してはー これは試合後に選手のチェックを担当したドクターがその場で最終決断を下すんですが、べガス、カリフォルニア、イリノイ州、(アトランテック・シティーのある)ニュージャージー州などは、大体次の試合の前に頭部のMRI検査を命じられ、これでドクターからオッケーがでなければ試合できない、というもう一つのハードルも課せられます。 カリフォルニア州だったらMRIだけでなく、神経検査もパスしないといけない筈です。 まぁ面倒臭いですが、やはり選手のセーフティーを考えますと、これは仕方がないというか、こうあるべきだと、私は思います、ハイ。 試合をやりたい選手や、試合をさせたいマネージャーやトレーナーは当然「ダイジョーブ、ダイジョーブ」というかもしれませんが、選手の健康のことを考えるとですね、やはり打撃を頭部に貰った選手へのMRI検査は必要だと思う、という結果に辿り着くべきだと信じているのですが..... みなさんはそう思いませんか? だって脳みその中のことなんて、それこそド素人の我々からしたら、例え開いて見れたとしてもチンプンカンプンですし、折角人類がMRIとかCATスキャンとか凄い機械を発明したんですから、使って大事をとらないと勿体ないというか、何ていうか........。 選手をとにかく大切にしてあげないと、と思うんですよね。 特に格闘技のプロの選手が放ったパンチやキックを頭に貰っているということは、下手すりゃ車に引かれたときに頭打つのとそんなに変わらないですし、彼女にビンタされたレベルの話じゃないですから。 やっぱり検査はしないとまずいっしょ、と私は思ってしまうんです。 もちろんアメリカですから、60日出場停止処分となった選手が、いや、大丈夫だからもうちょっと早めに試合したいから、停止期間は45日にしてくださいな、とお願いしてオッケーがでるケースはたくさんあるんです。 それでも必ず次の試合の前にMRI検査は受けなくてオッケーがでないといけない、と言われる筈です。 え、州ごとに違うんだから、他の州で試合をする場合は? グッド・クエスチョン。 これがですね、面白いんです、はい。 アメリカですから。 でも答えはシンプルです。 例えばカリフォルニア州で試合をしてキックを顔面にモロ喰らってノックアウトされちゃったとします。 そして60日の出場停止処分になった場合。 だけどコミッションのない州、たとえばインディアナ州にいって次の月にMRI検査も何もしないで試合をしてもいいのか? はい、いいんです。 でも、BUT! ここで大きくBUT! しかしですね、 それをやると99%その選手はカリフォルニア州のライセンスを永久剥奪されます。 つまり、カリフォルニアで一生試合する気がないんなら、どうぞ、という事なんです。 名前は失念しちゃいましたが(すみません)、実際にカリフォルニア州から停止処分を喰らった選手が、その出場停止期間中に日本で試合して、カリフォルニアから永久にキックアウトになったケースもあるんですね。 そしてアスレチック・コミッションのある州で試合をする場合はー これはですね、コミッションは当然「仲間」である他州のコミッションの決断をリスペクトしますので、出場停止処分中の選手は出場させない、またはMRI検査はしなさい、という裁定を下すものなのです。 けど、これが正しいやり方だと私は思うんです。 やっぱり選手たちは一生試合だけで飯喰っていくわけではないんですから、選手生活の後の人生も考慮しなくてはいけないことですし。 だからこそ選手のセーフティーのに関してのルールは、ほんと、大切なことだと思うんです。 ですから、まぁ、コミッションが存在していない日本やヨーロッパではどうしたらいいのか..........(詰) これはあまりにも事情が複雑過ぎて、この件に関してはまた別の機会に書かせて頂きたいと思っております、と取り敢えずここは勘弁してください。(汗) ただですね、コミッションのない国の選手やトレーナー、そしてマネージャーのみなさん、今のところは、自主的にちゃんと選手を守るしか解決策はないと思うんです。 だからノックアウトされて、4週間とか5週間で試合する選手にはちゃんとMRI検査ぐらいはしてチェックしてあげましょう。 それぐらい格闘技というのは危険なスポーツですから。
by shu_hirata
| 2008-09-10 00:21
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