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November 12th, 2007 - 太い

毎回そうなんだけど、ウィスコンシン州みたいなアメリカの田舎にくると、実感します。うん、この国は間違いなく肥満体国です。
でかいんだ、みんな。お尻もお腹も股も。二の腕なんて丸太状態ですよ。
あれぐらいの二の腕で太いとか言われている深田恭子さん、ウィスコンシンにきなさい。
もうあなたは立派な拒食症です。
シカゴから車で50分ぐらいの所にあるケノーシャという街の話なんだけど、もうメインのハイウェーの両脇に、次から次へとブッフェのレストランが並んでいるんですよ。
ステーキ、フライドチキンにポテトみたいな典型的なアメリカン・レストランや中華にメキシカンです。ランチタイムなんてひとり800円ぐらいで喰い放題なんだから、まぁ、そりゃ太りますよ、誰だって。
週末なんてランチタイムになると大型バスに乗ってツアーがきちゃうんだから。(^^;
そのバスから降りてくる人たちをみてたんだけど、もう、どすんどすん、ていう感じなんです。みなさんサイのように太られて、まぁ、雄大な光景というか、あの人たち全員の内蔵脂肪並べて計ったらこのバスより重いんじゃないの?なんて錯覚を起こしてしまいました。

さて、アメリカの田舎、特に寒いエリアは室内スポーツがどうしても盛んになるんです。長い長い冬をどうやって過ごし、太らないようにするか、という訳じゃないんだけど、スポーツの好きな人、体動かしたい人、どこにでもいますし、やはり教育上身体を動かさない訳にはいかないんです。
ですから新学期が始まる9月から3月ぐらいまでのウィンターシーズンは室内スポーツ、そして3月ぐらいから夏までは屋外スポーツが主なサマースポーツという事になるんです。これ、高校や大学のスポーツのシーズン分けの話です。(でもなぜかフットボールはウィンタースポーツなんです)
だからアメリカでは競泳なんてウィンタースポーツになっちゃうんですよね、寒い所では室内スポーツのカテゴリーに入るという事なんです。
さて、このウィンタースポーツ、バスケ、バレー、競泳などと並んで人気があるのが、実をいうととレスリングなんです。
田舎だから何もやる事ない。冬は長くて寒いから体動かすんなら室内。
こういった所にある州って、必ずレスリングが強いじゃないですか?五大湖のまわりなんて、もうオリンピックいきました、みたいな選手がゴロゴロしいるんです。
しかもレスリングだけでなく、こういったエリアでは全体的に空手とか柔道とかも盛んなんです。
自由にやりたい事、自分にあったことを選ぶ、というのが一般的教育方針のアメリカでは、別に学校の部活を優先しなくてはいけないとかクラブ活動に入らなくてはいけない、みたいな規則は存在しないんで、格闘技やりたいけどレスリングよりも柔道がいい、という生徒もたくさんいる、という事なんです。そういった子たちは学校の部活には見向きもせずに町の道場をのぞいてみよう。学校のセンセイたちも、そっちの方が学校の部活よりも面白しろそうだったらそうしなさい、という事になるんです。

そんなエリアのひとつでもあるウィスコンシン州ケノーシャみたいな田舎でやっている総合の大会にいくと、時々凄い掘り出し物に巡り会えるんですよね。
今回のFreestyle Combat Challenge 31では70キロ以下の新人トーナメントが行われたんですが、その中にも面白い選手、たくさんいました。
まずはマーカス・レヴェッセァーくん。
アマレス戦績155勝0敗、引き分けも一切なし。しかも全米選手権(NCAA)ディビジョン3なんですが4連覇。4シーズン続けて無敗、引き分けなしはアメリカの歴史上でも二人目という快挙を成し遂げた選手なんです。
そんな彼が総合プロデビューをしたんですが、凄かったです。動きはちっこいケビン・ランドルマンでスピードはもう60キロ以下の選手でも絶対に追いつかないみたいな、要は身体能力がやっぱりずば抜けているんですよね。タックルを切って後ろに回ってサイドから顔面に膝蹴り。この一発だけでノックアウト。相手の額はパックリと割れ血がマットにぼとぼと。
もうちょっと長く観たかったけど、このレヴェッセァーという選手は間違いなく逸材ですね。でも色々と話をすると、結構慎重というか臆病というか、プロとしてやっていくためにはメンタルの部分での脱皮が必要になると思うんだけど、それでもあの動きは凄いです。二回戦が楽しみです。
もうひとり、というか、今回行われた一回戦5試合のうち間違いなくベストバウトだったのがジェームス・クック対ジョン・チャセィーだったんですが、これがふたりともメチャメチャ良かったんですよ。
クックはキックの選手で、もう50試合以上しているベテラン。しかもルンピー二でも何度か試合をしている本格派。日本でも試合をした、というから何という団体?と聞いても覚えていないんですよね、こいつ。戦績は?と聞くと、「え、覚えていないよ、でも40勝以上はしている」というんであとで調べてみようとは思うんだけど、プロの選手、という感じです。
アメリカではムエタイやキックの試合をやっても稼げないから総合だ、という訳で今回総合デビューする事になったんですが、彼はいまカリフォルニア在住なんです。なのになんで遥々ウィスコンシンまで来たのかというと、カリフォルニア州のアスレチック・コミッションがプロ・キックを50戦以上もこなしているのに、彼の総合デビューをどうやっても認めないんです。だから仕方がない、どこか外で試合を組んでくれる所はないかという事でたどり着いたのがこのトーナメントだったという訳です。
けどこのクックという選手、やはり場数を踏んでいるだけあって、すべての技術がしっかりとしているんです。
試合でもがんがんローキックで攻めてクリンチからの肘、首相撲からの膝、もう完璧に近いんですよ。しかも一発一発が重いんです。タックルも切れるし、その後ガードに捕まらずに立つのも早いし。
でもそんな彼よりももっとサプライズは今回の対戦相手のジョンくんです。
プロ総合戦績は4勝0敗なんで、いい選手だというのは初めから分かっていたのですが、根性あるわ。
もともとボクシング技術はいいものを持っているのでクックと打ち合っても大丈夫だろうとは思っていたんですけど、もう互角以上に打ち合えたといか、しっかりとパンチを見切っていましたし、インサイドでバシバシくる顔面への肘もほとんどかわしていましたし。でももっと凄いと思ったのはローを受けようが、顔面にいいのが入ろうが、一度も後ろに下がらなかったんです。やっぱりアイルランド系は馬力があるわ、というのを痛感させられたというか、もう重戦車状態で前へ前へという感じでああいった選手は心が折れないからいいです。見る人の魂を揺さぶるタイプですね、彼は。
2ラウンドの終わり、飛びついてクックを引き込むと下から腕十字に持っていったんですが、あれ、あと数秒あれば決まったと思うんです。
でもこの試合はほんと良かったです。
久しぶりに、早くDVDが観たい、と思った試合です。

このトーナメント二回戦は1月なんですが、クック選手はこの試合で指を骨折。間に合わなけらば今回判定で負けしまったジョンくんが二回戦に進むということになると思うんですが、どっちが残ってもマーカス・レヴェッセァーとの試合観たいですね。
あ、それからこの大会、プライドとUFC混合ルールなんで、顔面への肘、グラウンドでの頭部への蹴り、膝、何でもありなんですが、やっぱりその方がいいですね。
スリリングです、試合展開が。
選手たちもあらゆる状態でしっかりと頭部を防御しないといけないので、全体的に緊張感がまた違うんです。しかもケージじゃなくてリングなので、金網に押し付けて一息してからタックルに入るみたいな展開にならないんで、もっと試合がスイングするんですよね。
やっぱり格闘技はリングがいいですよ。
ケージというのが興行的に受けるというのはよくわかるんです。
会場に入ってあの金網に囲まれた戦いの場という名の「舞台」をみると、何かニューヨークのオフブロードウェーなんかを観に行った時と同じで、どこかフューチャリスティティックでエッジーな空間に足を踏み入れたみたいな感じになるのは分かるんです。
でも試合観るんだったら、やっぱりリングの方がよくないですか?
絶対にそう思うんですよね、わたしは。

マーカスくんです↓
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by shu_hirata | 2007-11-12 20:49


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